1.はじめに:
ようやく解読ができました
滋賀県の野洲に越してから数年経ったある日 家の庭を掘り起こしていた
ところ 石板の破片3個を見つけました 石板には文字らしき符号がかす
かに刻まれていました
以来10数年余り 必死に解読作業に没頭してきたところ ようやく全文
の翻訳ができました
刻まれていたのは 近江富士 とも呼ばれて親しまれてきた 三上山
の起源を記した昔話でした
まだ歴史学会などに報告していませんが 「近江の散策」会員の皆さまだ
けへ 特別に 本邦初公開 させていただきますのでご笑読ください
(本文の後に解説を入れました)
2.むかしばなし:
三神山のいわれ
むかし 天地を司る神が淡海(注:琵琶湖のこと)の場所を移しま
した
天地の神は 新しい湖の場所を示すために 近くに山を作ることに
しましたが その山の形をどうしたらよいものか悩みました
新しい湖の近くには 武の神 農耕の神 快楽の神 がいました
そこで 神々の希望を聞きました
武の神は 馬の手綱をかけられる形がよいと言いました
農耕の神は 多産を祈るのに若い娘の乳の形がよいと言いました
快楽の神は 遊女が胸当てを外した乳の形がよいと言いました
天地の神は それらの希望を取り入れて山の形を整えました
そこで この山は 三神山 と呼ばれるようになりました
3.解説:
1)長い歴史でみると 琵琶湖は移動しているそうです
600万年位前に三重県にできた湖は 次第に滋賀県に移動しましたが
130万年位前には消滅してしまいました
現在の琵琶湖は 100万年位前から新しくできたようです
カスピ海とバイカル湖に次いで 世界で三番目に古い湖だそうです
2)今回ご紹介した昔話は 現在の琵琶湖が生まれたときの神話です
しかし この神話に登場している神々は 今も生き残っているようです
以下の説明から頷いていただけないでしょうか
■武の神 が住んでいた場所は 現在の栗東市付近だと推測されます
ちなみに ご存じかと思いますが 現在の栗東市には競走馬のトレーニ
ングセンターがあります
栗東市から見る三上山は 頂上に馬の手綱が置けるような窪みができて
います
栗東市から見た三上山
■農耕の神 が住んでいた場所は 野洲市付近だと推測されます
三上山は野洲市にあります その三上山から琵琶湖まで広がっている野
洲市は 美味しい米の採れる平野を抱えています
野洲市から見る三上山は 農耕の民が安堵感を抱くような穏やかな形状
を見せています(写真手前を流れているのは野洲川です)
野洲市から見た三上山
■快楽の神 が住んでいた場所は 近江八幡市付近だと推測されます
かつて 近江八幡は城下町として栄えました 多くの人が集まる所では
快楽がもてはやされることも自然の成り行きと言えます
それにしても 近江八幡から見る山の形は官能的ではありませんか
今風に言えばGカップのように豊満で 突き出た先端につい指を伸ばし
て.. というような妄想がかきたてられます (..と感じるのは私
だけでしょうか?!)
近江八幡市から見た三上山
4.関連情報:
近江富士(三上山)は四季折々に美しい風景を展開してくれます
近江富士に魅せられ 30年以上にわたって近江富士の写真を撮り続けて
きた方がおられます 野洲市在住の 八田 正文 さんです
近江富士の風景を まじめに鑑賞したい方は こちらをご参照ください
近江富士(http://www.h5.dion.ne.jp/~omfj/)
5.おわりに:
三上山は 高さが400メートル余りしかありませんが 琵琶湖対岸な
どの遠く離れた所からでも見つけることができます
近江の風景を語るときには欠かせない存在です
その起源において 三神山 がいつ頃からどうして 三上山 と呼ばれ
るようになったのかはわかりません
なお 考古学論文等を執筆される方は 今回ご紹介した記事を引用してい
ただいても差し支えありません (..ハッハッハ)
(散策:2005年2月22日)
(脱稿:2005年2月25日)
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追記: 近江富士は見る位置によって色々な形を楽しませてくれると共に
滋賀の各地から遠望することができます
その様子を示す写真をいくつか追加してみます

まずは 南の方角から
←信楽に近い金勝(こんぜ)山より
↓野洲川上流の三雲という地区より

次は琵琶湖西岸から
←琵琶湖大橋の少し北より
もっと北の白髭神社より
↓(鳥居の中にかすかに見える)

最後に我が家の近くから
←野洲川の河川敷公園より
↓私の別荘地(市営墓地)より

(追記:2005年10月1日)
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